原発広告

著者 :
  • 亜紀書房 (2013年9月25日発売)
3.62
  • (3)
  • (11)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 118
感想 : 18
4

あ、この広告ね。うん、このCM見たことある。1970年~2011年の間に、電力9社が費やした広告宣伝費は、2兆4179億円超。
もちろん、その費用の原資はあなたや私が支払っている電力料金から、そしてその多くは「原子力発電所は絶対に事故を起さない」「万一事故が起きても放射能は絶対に外に漏れない」「原発は安全・安心なシステム」という福島第一原発事故で露呈した嘘で固められた原発神話を作り上げるための物であった。
「電通と原発報道」で日本の広告業界が電通を通じた巨大マネー(原資は電力料金)によって、情報統制されている事実を淡々と明らかにした筆者が、その証左として3.11以前の広告の実例を列挙したこの本を、できるだけ多くの人の目にふれさせたい。そして、その事実を実感して欲しい。
新聞テレビ等のマスコミには頼れない、なぜなら彼らこそ巨大マネーを受け取り情報統制に積極的に参加してきた当事者たちだから。
その広告等に出演、参加してきた著名人、芸能人は責めない。なぜなら、彼らも私たちも巨大マネーに騙されてきたのだから。そして、だからこそ彼らにに期待する。南アフリカのアパルトヘイトに反対して"Sun City"を歌い訴えた多くのアーティストたちのように、立ち上がることを。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2013年12月26日
読了日 : 2013年12月26日
本棚登録日 : 2013年12月26日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする