出版大崩壊 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年3月17日発売)
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感想 : 86
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音楽のデジタル、オンライン化に始まった、コンテンツのデジタル化に対する憂い。
確かにここに書いてあることは全てそうだ。
だけど、終わりが来たということは始まりであり、
人間は音楽や書物の良さを知っているから、絶望する必要などないと思った。
この先の答えはまだ見えないけど、自分たちの想像しなかった新しいビジネスの形が生まれるはず。

以下メモ
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電子書籍とは何かをきちんと捉えないと、またもやブームとして消えてしまう。
当たり前だが利便性と品揃えがポイント。
この二つを兼ね備えたサービスが現状、存在していない。

アマゾンのジェフ・ベゾスが言った「サービス」の提供は正しい。
アマゾンだからこそできるサービス。
本は本であり、電子書籍は別物だ。

中抜きは確実に起こる。出版社が既得権益にこだわるのであれば。

宝島社の付録(ブランド品)戦略は雑誌とは言えない。
付録で釣って、広告価値を上げる事に成功したが、読者は中身を見ていない。
いずれ崩壊するだろう。

既に電子書籍売り上げはNo.1、しかしその内情はエロコミック。
成熟した電子書籍市場を作り上げるには、一致団結したビジネス展開が必要。

音楽がたどったDRM問題を電子書籍もたどる。
だけど、音楽がたどった後だから攻略のヒントはあるはず。

著作権問題は、根本的な問題。
法の整理、契約の結び直しなど問題山積み。
これが一番厄介。

電子書籍販売に対する見方が偏っている。
電子書籍になると埋もれると言っているが、
それは書店においても同じこと。
売れているのは平積み=トップにレコメンドがあるかどうか。
それとランキングを見せること。
特集による良質な本の紹介は可能。

徹底して悲観的で、建設的な言葉がないのが残念。

高城剛のくだりはおまけ。
言いたいことは分かるが、それは敗北宣言。
稼いで引退するのならそれもよし。
まだまだ稼いで経済活動しなくちゃならない我々にとっては、
それは余暇に過ぎない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2011年4月14日
読了日 : 2011年4月14日
本棚登録日 : 2011年4月12日

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