唯一の家族であるばあちゃんからは「壊れ物」と呼ばれ、
それまでずっと閉鎖的な環境で生きてきた足の不自由な少女ジョゼ。
そんな彼女がごく普通の大学生主人公『恒夫』と衝撃的な出会いをしてからというもの、
それまで光が射す事の無かった彼女の生活がどんどん変わって行った…。
観終って思い返してみると、
特に美しい映像なんか、無かった。
ジョゼの暮らすあばら家。
ゴミから拾ってきた大量の本。
生活臭、
血、廃油、性、死の匂い…
夢に浸っている時くらいは嗅ぎたくないなぁ~(笑
的な匂いがぷんぷん漂ってはいた。
でも、
ジョゼを通して眺めていると、不思議と目で見てる光景が
浄化されて行く様な気がした。
着飾る事もなく、
人が捨てた本で世の中を学んできた彼女の濁りの無い魂が(その生き様を心で見て。)と、妖精の様に飛び回っていたのだ。
もしかすると、
切ない恋物語、だったのかも知れない。
でも、
心に残ったのは
純粋すぎる一人の少女が魅せてくれたファンタジー映画の様だった。
それは、現実から逃避したお伽語じゃない。
自らは光を発する事のない世界だが、闇を照らす光は必ず降り注ぎ、人は生きられる事を知っているジョゼが見る世界の(初めて)が、あまりにも美しくて。
人目を忍んで暮らしてきたジョゼが
「散歩には出たい」と言い張った理由がいいなぁ。
「猫とお花が見たいから…。」って。(^^♪
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2015年10月28日
- 読了日 : 2015年10月28日
- 本棚登録日 : 2015年10月28日
みんなの感想をみる