考えることの科学: 推論の認知心理学への招待 (中公新書 1345)

著者 :
  • 中央公論新社 (1997年2月1日発売)
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日常生活で用いる推論の誤りについて書かれている。
4章・5章だけでも読む価値があると思う。
それらが対象にしているのは、確率的な推論の誤認。特に感染者問題は面白かった。
1000人に1人が感染する病気で、検査薬を飲んで、感染すれば98%の確率で陽性反応が出て、2%の確率で陰性反応が出るケース。たとえば患者が陽性反応だったとして感染者である確率はどれくらいか。
このような問題では事前確率の無視がよく起こる。検査薬で陽性反応が出ても、そもそもの事前確率として感染者は0.001%しか存在しないことが大事。
ベイズの定理を使って計算すると、陽性反応の患者が感染者である確率は8.9%しかない。よって非感染者である確率の方が圧倒的に高い。
テレビや新聞でとりあげられる情報では事前確率という概念を補足してして考える必要があるかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年7月16日
読了日 : 2012年7月15日
本棚登録日 : 2012年7月16日

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