1997年発表。
大きなつり目の女の子をモチーフにした、
かわいくてこわい独特の画風で
アジア・アメリカ・ヨーロッパなど、
世界の美術愛好家を魅了した
奈良美智、初の画集です。
よしもとばななさんの小説の
表紙や挿し絵でもお馴染みですね(^_^)
奈良さんの作品は
その時代時代によって雰囲気が違うんやけど、
悩める子供や
犬などの動物をモチーフにした、
ポップでピュアで
パンクスピリッツあふれる
胸がきゅい〜んとなる初期の作品が
一番好きです(^O^)
包帯を巻いた少女。
口から血を流す子供。
水の中沈んでいこうとする子供。
ギターを持って歌う少女。
ウサギの着ぐるみ姿の子供。
悪意に満ちた笑顔を浮かべ、
攻撃的な武器を手にした少女。
奈良さんが描く
鋭い目をした子供たちは、
イライラして
恨めし気で
陰険で
イタズラっ子で
破壊者で
センシティブで
焦燥感を抱えていて
空を飛ぶ夢を持っていて
誰もがみな残酷で
孤独の中にいる。
また絵に添えられた
想像力を刺激する
奈良さんのメッセージが
いいんですよ♪
誰もが
彼が描く幼い子供たちに
過去の自分の姿を重ねずにはいられないだろうし、
今も自分の中にいる
痛みを抱え血を流す子供たちに気付かされ、
自己と対話する機会を与えられる。
アーモンド型の目をした憂鬱な少女たちは、
今の自分たち自身を映す
鏡のようなものなのかな。
(だからこそ、何度となく眺めて見たくなるのです)
物分かりがよく
無味無臭な
クリーンな大人になるくらいなら、
傷だらけで
ワガママで
夢見がちな子供の方がいい。
もっと想像の世界を飛び回ろう。
不可能は
自分が作った錯覚に過ぎないし、
想像こそが
現実を作るんやから。
誰もがみんな
子供だったと思い知らされますよ♪
- 感想投稿日 : 2013年4月8日
- 読了日 : 2013年4月8日
- 本棚登録日 : 2013年4月8日
みんなの感想をみる