さんかく窓の外側は夜 2 (クロフネコミックス)

  • リブレ出版 (2015年2月10日発売)
4.10
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本棚登録 : 1435
感想 : 63
5

いやぁ~、コレは間違いなく傑作になる予感!

幼い頃から不気味な者(いわゆる幽霊)を見てしまう霊感体質の三角(みかど)は、イケメンだが生活能力0の除霊師・冷川(ひやかわ)にその才能を見いだされ、マンションの部屋に住み着く自殺者の霊や、ホテルや書店に出る浮遊霊、バラバラ殺人の被害者の霊など、嫌々ながら二人でタッグを組み除霊作業をこなしていくといったホラータッチのサスペンスストーリー。

なんといってもこの除霊作業のやり方が、とにかく斬新で面白い。
冷川と霊の間に霊感の強い三角を並ばせ、三角をブースターにして冷川が霊的なモノを掴んでぶん投げるという荒技(笑)。
その時冷川の右手は三角の胸にめり込み、三角の魂を触る。
(霊感のある三角の魂に触れることで、冷川の目にもよりリアルに霊の姿を確認できる)
そして冷川の右手は三角の胸を突き抜け霊を掴んでぶん投げるイメージです(笑)
(文章で表すのはかなり難しいけど汗)

また、魂を触られるとかなりの性的快感が得られるらしく(笑)、
ぐったりしながらも、「勃起してないのが不思議なくらい、夢精に似てる」とか「除霊ってこんなにエロくていいの?」という三角のセリフがかなり笑えます。
(絵を見ず二人のセリフだけ読んでれば性行為の最中のカップルの会話にしか聞こえないし笑)

それにしても、除霊作業を性行為とダブらせ、
読む者にゾクゾクとするようなセクシャルなイメージを喚起させる巧みな構成は、
ヤマシタさんにしかできない
ウルトラC級難度の神業でしょう(笑)。
直接的な性表現はしていないにも関わらず
溢れ出るこのエロさ(笑)
ホンマ神業です!

そんな分かる人にだけ分かるBL要素にこれまたヤマシタさんの作品特有の
なんだか分からない生理的な怖さをプラスして、
淫靡でいて怖い物語であるにも関わらず読む者を惹き付けて離さない魅力を放つのですから、
BL大好き少女はモチのロンのこと、
妖しい物語やサスペンス好き、そして僕のようなおっさんに抗える術はありません(笑)。

一応サスペンスやホラーテイストであるものの
男同士のバディ物なのでシリアス一辺倒ではなく、
どこか三浦しをんの「まほろ駅前」シリーズや東直己の「探偵はBARにいる」シリーズを思わす
凸凹コンビだからこその妙な味わいで、ところどころでぷぷぷと笑えて二人の関係がどうなっていくのかも気になるところ(笑)。

人を呪い殺す「呪い屋」の仕事をする謎の女子高生、非浦英莉可(ひうら・えりか)の登場で今後はよりサイコな展開が予想されるけど、
まだ2巻までしか出ていないので、
コレを読んでビビビときたアナタは
お近くの書店へGO!GO!GO!~♪

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2015年4月5日
読了日 : 2015年4月5日
本棚登録日 : 2015年4月5日

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