1988年のパ・リーグ

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  • 新潮社 (2019年7月16日発売)
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感想 : 27
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1988年と聞くとやはり反応してしまう、パ・リーグ者としては。
テレビ朝日が「ニュースステーション」の中で放送を続けた伝説の10.19ロッテ対近鉄のダブルヘッダー第2試合だけでなく、阪急の身売り、そして南海の身売りと福岡への移転。なんでこんなことが同じ年に起きるのかと、興奮し、胸を痛めたことは今もよく覚えている。

本書で印象に残ったのは、伝説のダブルヘッダーではなく、二球団の身売りに関する章。周到に準備され、練りに練られた戦略で進められた買収劇。ひとつタイミングが違っていたら、福岡移転を果たしたのは別の球団かもしれなかったという事実。企業買収に関するビジネス本を読んでいるような錯覚に陥り、あれは紛れもなく昭和最後の大事件だった、という思いがよみがえる。嗚呼、それにしても阪急身売りの発表が10.19だったのはなんとも残念すぎる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2020年2月9日
読了日 : 2020年1月2日
本棚登録日 : 2019年7月26日

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