著者の内田さんのお話を聞く機会があり、
その帰途に書店でゲットした一冊。
ワタシは常々、難しいことを簡単な言葉で
説明できる人のことを素晴らしいと思って
いるのだけれど、この内田さんはまさに
そういう人。
サイエンスコミュニケーターとして、科学の
面白さを文系、ひいては広く一般の人に
伝えようと試みを続けている。
だから、この本も、講演を聴いている時と
同じようにすんなり頭に入ってきた。
この本の中でワタシがいちばん面白いと
思ったのは二点。
一つは、「ノーベル賞・フィールズ賞受賞者
による事業仕分けに対する緊急声明と科学
技術予算をめぐる緊急討論会」について
書かれたくだり。
これを「ぞっとする全体主義」と評したのは
あっぱれ!と言葉をかけたくなると同時に、
著者の芯の強さを見た思いがした。
もう一つは、話の本題からは少しそれるけれど、
手塚治虫が『鉄腕アトム』で描きたかったのは
科学と人間のディスコミュニケーションだった
ということ。
つまり、アトムは手塚治虫の意思から大きく
離れた存在になってしまったということ。
これはまったく意外だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本・雑誌
- 感想投稿日 : 2018年11月18日
- 読了日 : 2010年9月29日
- 本棚登録日 : 2018年11月18日
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