科学との正しい付き合い方 (DIS+COVERサイエンス 2)

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010年4月15日発売)
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本棚登録 : 234
感想 : 33
4

著者の内田さんのお話を聞く機会があり、
その帰途に書店でゲットした一冊。

ワタシは常々、難しいことを簡単な言葉で
説明できる人のことを素晴らしいと思って
いるのだけれど、この内田さんはまさに
そういう人。

サイエンスコミュニケーターとして、科学の
面白さを文系、ひいては広く一般の人に
伝えようと試みを続けている。

だから、この本も、講演を聴いている時と
同じようにすんなり頭に入ってきた。

この本の中でワタシがいちばん面白いと
思ったのは二点。

一つは、「ノーベル賞・フィールズ賞受賞者
による事業仕分けに対する緊急声明と科学
技術予算をめぐる緊急討論会」について
書かれたくだり。

これを「ぞっとする全体主義」と評したのは
あっぱれ!と言葉をかけたくなると同時に、
著者の芯の強さを見た思いがした。

もう一つは、話の本題からは少しそれるけれど、
手塚治虫が『鉄腕アトム』で描きたかったのは
科学と人間のディスコミュニケーションだった
ということ。

つまり、アトムは手塚治虫の意思から大きく
離れた存在になってしまったということ。
これはまったく意外だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2018年11月18日
読了日 : 2010年9月29日
本棚登録日 : 2018年11月18日

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