独占欲 (B‐PRINCE文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014年1月4日発売)
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感想 : 3
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ふつうに兄弟ものと思って読んでいたら、謎が謎を呼ぶミステリアスな展開になり、え?え?と混乱。
在宅で校閲の仕事をしている兄の光は、大学生の弟の真陽と恋人同士の関係で一緒に暮らしています。仲良く平穏に暮らしていたはずの二人だったのですが、光が真陽に拘束され手酷く陵辱されるという悪夢を見るようになってから、おかしなことが周囲で起こり始めます。

…え?どうなってるの??と思いつつ、気になって先へ先へと読み進んでしまいました。
現実と夢との境目があいまいで、まるで白昼夢のような世界。明るい風景がありながら執着と陵辱で中身は真っ黒です。
殆どが拘束監禁陵辱Hのシーンで、「愛してる」と互いに告げている割りには愛があまり見えてこなかったのがとても残念。
SMは好物だけど、どこかにラブがダダ漏れていないとただ痛いばかりで読んでいて辛いんですよね。
H自体が無理矢理で酷くてもフォローがあれば萌えるもの。
ところが、夢の中のせいか真陽の行為には逃走する光に対する制裁という恐怖しか感じられなかったのが惜しかったですね…

二人がどうしてそこまで揉めてしまったのか、ということも理解しにくいですよね。どちらかに他に好きな人ができたからかなと思ったのですが、光が義巳と…くらいしか可能性がないですね。
それも明確な証拠やきちんとした説明が無いのでボンヤリ。
ほとんど二人しか登場しないので、当て馬くらいいた方がもっと面白くなって良かったんじゃないかなと思いました。

切り口はすごくいいんですよね。ダークな執着愛は好物なので。
ただ、現実と非現実が混じりあうこういう複雑なストーリーを面白く読ませるのは、相当ハイレベルな仕事だと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ♥BLノベル♥
感想投稿日 : 2014年2月3日
読了日 : 2014年2月3日
本棚登録日 : 2014年2月3日

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