蜜を喰らう獣たち (キャラ文庫)

著者 :
  • 徳間書店 (2014年11月27日発売)
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本棚登録 : 142
感想 : 7
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作品の感想の前に、イラストなんですが…笠井あゆみセンセは肌色絵師というわけではないところを存分に見せていただきました。絡みが毎回すごいアングルで素晴らしいのはもちろん、表紙のようなクールで硬派なイラストもカッコいいです。…攻二人がドーンと前面で、受のナギがどこ?扱いに笑っちゃいました。口絵も風と光を感じる良いショット。さりげないのに色気が滲み出ています。

サイキックを扱ったSF仕立て。特殊能力を持つ人間を傭兵としてあらゆる方面に売り込む組織で、総帥の「花園」に囲われ、兵士たちの疲弊した心身を癒す立場のナギは、密かに有能な闘犬シナトに想いを寄せているのですが、彼は何かと気遣ってはくれるけど決して抱いてはくれません。一方、あれこれ意地悪くかまってくる猟犬イービスも、実はナギを注意深く見守っている気になる存在。

二人の攻から謎めいた執着をされてしまう受という関係。安定の3pでした。
最近、犬ものばかりでちょっと食傷気味になっていた宮緒作品でしたが、結局堂々の犬ものなんだけどパッケージが変わっただけでこんなにも新鮮に受け止めることができるなんて驚きました。アクション満載のSFものはカッコいい犬たちにはぴったりの活躍場所になっていました。
あまりにリアルすぎる設定での3pよりは、こういう現実離れした背景での絡みの方がより納得できる気がしました。まぁ、ホントの大型犬と重ねて想像すれば、わりとすんなり受け入れられる関係性ではありますよね。

総帥エリヤはあっさり過ぎる結末だったのが残念。もう少し踏ん張って復活してほしかったですね~
アウィスとの関係にも萌えていたのに。
しかし、ナギも力をMAXに使い始めると女王様になっちゃうの?怖い。
そうならないように、シナトとイービス二人がかりでせいいっぱい奉仕してあげてほしいと切望です。

シナトもイービスも完璧なようでいて、案外ヘタレてるところもあってグッときます。溺愛と執着愛と色気もてんこ盛りで、とても楽しめました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 宮緒葵
感想投稿日 : 2014年11月30日
読了日 : 2014年11月30日
本棚登録日 : 2014年11月30日

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