いびつなボクらのカタチ(上) (CHARA コミックス)

著者 :
  • 徳間書店 (2020年10月24日発売)
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本棚登録 : 190
感想 : 6
4

キャラのビジュアルがいいし、隅々まできちんと描かれていて好みの作家さんです。
介護職員のシングルファザー×7年付き合っていた相手に振られたばかりのピアノ講師。
互いに言えない事情を抱えている訳あり同士です。
打ち明けるのを躊躇するようなあれこれに思い悩みつつも、佑真も伊吹も投げやりになることなく、優しさを持って前向きに生きている姿が清々しかったです。

佑真と伊吹が知り合ったきっかけは佑真の母親のケガで、伊吹の親切心が佑真の誤解を生んで大騒動になってしまうという…(笑)
そんな描写だけ見ると、穏やかで優しい家族たちの風景が微笑ましくて、今は佑真の片想いだけど舞花ちゃんのおかげでくっついて4人家族になって幸せになるんだろうなと想像がひろがったり…
どちらかというとBLよりは、家族の絆というテーマの方が大きかったです。
佑真と伊吹がくっつくのにも、母親や舞花ちゃんの言動や影響がすごくあって、むしろ形にとらわれない愛の物語みたいな展開でした。
ここまでのストーリーでは、ちょっと私的萌えとの温度差がありました…エロ目線で読んでいると、なんだか舞花ちゃんたちに大変申し訳なくなってしまい…汗
佑真の母親も舞花ちゃんも、二人のことをとてもよくわかっていてすべてを受け入れているのが伝わってきます。その上で、佑真や伊吹に幸せになってほしいと心から願っているのもすごく伝わってきますよね。
この描き方が社会的というか、とても大きなテーマを突きつけているというか、心を揺さぶられるものがありました。
恋愛は自由だけど、その先は自分たちだけの問題じゃないと佑真も伊吹も考えているんだろうなとしみじみしました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ♥BLコミックス♥
感想投稿日 : 2020年11月12日
読了日 : 2020年11月12日
本棚登録日 : 2020年11月12日

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