法医学研究室の大学院生×一見クールビューティーな31歳法医学者。舞台が舞台だけにサスペンスかと思ったら、意外にコミカルな話で拍子抜け。でも、クール美人かと思われた姫谷がとんでもなく天然マイペースな不思議ちゃんだったのがツボでした。
最初から姫谷の周囲をはばからない直截的な性的表現が際立っているのです。31年間恋愛にも女にも興味がなかったと、堂々みんなの前で言い切ってしまう姫谷は、DTを恥とも思ってない天然さが愛すべきキャラ。かぐや姫のイメージと作者さんは言っておられますが、そういう意味では妖精サンに近い存在です。
そんな姫谷に何かと世話を焼く石上と阿部。傍目からみても二人が彼にメロメロであるのはまるわかり。そして、悠月もそんな姫谷のことがどんどん気になるようになっていきます。
姫谷の言動が本当に面白くて、何度も笑わせてもらいました。
ただ、その天然なダイレクト表現の面白さに乗っかりすぎて、二人が好意を感じて、恋人同士になっても良いと思うまでの感情の変化の掘り下げ方が少し不足していたような。
なんか、もやもやするんです。カルビだけで男が男を好きになるとは思えないし。姫谷が、興味のなかった恋やHに目覚めたきっかけがなんだったのか、ちょっとボヤけてしまっていて物足りなさを感じるのです。
悠月も教授たちに刺激されて姫谷に興味を持っただけと、受け止められかねません。最後に出てくる悠月の過去をもっと姫谷への想いに上手く絡めて伏線的に描いてくれた方がよかった。その設定があまりに突飛な感じで、せっかくのコミカルな味がどんより重くなったのもマイナスに感じます。
多分そのあたりが原因で今ひとつ印象が散漫になっているかも。
ただ、登場人物は姫谷にしろ、悠月にしろ、好感持てたし、読後感も不思議とよかったんですよね…
まっさらDTに、年下強引言葉攻めというシチュも好みでした。
- 感想投稿日 : 2012年2月8日
- 読了日 : 2012年2月8日
- 本棚登録日 : 2012年2月8日
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