全ての恋は病から (白泉社花丸文庫 な 7-4)

著者 :
  • 白泉社 (2010年3月1日発売)
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本棚登録 : 480
感想 : 40
5

シリアスものの上手さは言うまでもないのに、コメディまでこの品質というのは神懸り的です。
エロさも面白さも極上でした。
人には言えない病に冒されている大学生×こちらもまた絶対言えない病気の持ち主の先輩。
二人の第一印象がサイアクなのや、見た目と実態とのギャップが笑えます。モフモフ病最高です。変態一歩手前なんですが、嫌な感じは全くしない好印象が得な攻。
もっと可笑しいのが「隣国の汚部屋王子」。最初は夏市同様、ツンケンしていて上から目線でいけ好かないヤツと思っていたのが、エロく開発されてどんどんかわいく変貌していくのに、萌え死にそうになりました。大事にされて育ったのがアリアリで、ちょっと世間知らずなせいで夏市にいいように丸め込まれてHに持ち込まれてしまうのが、アホかわいすぎで悶えました…えらそうなくせに抜けてるのがツボでした。

凪良センセは心理描写がすごく達者なので、ラブコメでもぐいぐい引き込まれてしまいます。
プラス、エロシーンもすごいのが書けるんだということを証明して見せましたね。恥ずかしい言葉の連呼に激萌えしました!
夏市はかなり強引でSな攻め方をしていてエロい。受の羞恥心を煽る言葉責めでも、王子への愛がひしひしと伝わってくるので安心感があります。あまりやらしくならなかったとあとがきにありましたが、センセの作品の中では相当やらしい方だと思います。
DTを徐々にねちねちとエロく育成するというのは好物。

ラブコメとはいえ、練り込まれていて一本筋が通った隙のない筋立て。スミからスミまで面白くて飽きさせません。
取引だけのビジネスライクなはずだった関係が、しっかりはっきりラブラブになっていくまでに、たっぷりドキドキハラハラさせられて、とても読み応えあるラブコメです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 凪良ゆう
感想投稿日 : 2012年4月6日
読了日 : 2012年4月6日
本棚登録日 : 2012年4月6日

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