タンゴの男 the final

著者 :
  • 宙出版 (2013年1月15日発売)
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本棚登録 : 312
感想 : 32
5

ザ・ファイナルというだけあって、既刊コミックスには収録されていなかったエピや30年後の後日談に、再び心をアツくさせられたのでした。
表紙が装丁込みで渋くてステキです。このまま飾っておきたい。
岡田屋作品は、見た目アダルトでリアル(ガチ)でBLというよりはゲイよりですが、世界観が素晴らしく、圧巻です。
心に響くものがあります。

タンゴって、男同士が踊るのにとても似合っているし、違和感ないと思ってたら、そもそも♂×♂で踊るものだったんですね…
男と女で踊るのもセクシーだけど、男同士だとさらに激しくセクシーです。
映画「ブエノスアイレス」でも、ありましたね。
アンヘル・アルモドバルという名前で、アルモドバルの映画も思い出しました。好きです。

アンジーは、愛を与える側で生きてきた孤独な男。奔放な恋愛で寂しさを紛らわす毎日です。そんなアンジーを満たして癒して救ってきたのは、タンゴだけ。そこに現れたのが男っぽくてセクシーなヒロです。
ヒロの生い立ちも辛く孤独で、二人の魂が出会ったのは運命だなと思わせます。
スパニッシュで喋ることができるってのも、きっとよかったんだろうな…

男の色気がプンプン漂ってくる~
ペーパーのショートマンガ面白かった!ヒロのお願いに爆笑wおかっぱカワイイ。でも、ボウズはこわい…
未収録だったお話では、六本木フィットネスジムのアイドルに、タンゴの先生がヤキモチを焼いていました。激しいです、いろいろ。

良かったのは、30年後の二人の描き下ろし。しみじみさせられました。タンゴはまさに人生そのもの。
幸せなばかりじゃなく、悲しいこともあるのが人生だと教えられます。でも、ずっと二人で乗り越えて、そして愛し合ってきたんだなというのがしっかり伝わってきて感無量です。

まだまだ描き足りないことがあるんじゃないかという気がします。ファイナルと言わず、これからも新しいエピソード読んでみたいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 岡田屋鉄蔵
感想投稿日 : 2013年1月17日
読了日 : 2013年1月17日
本棚登録日 : 2013年1月17日

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