愛してはいけない (ショコラ文庫)

著者 :
  • 心交社 (2011年6月10日発売)
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本棚登録 : 58
感想 : 7
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本間アキラセンセのイラストで購入。兄弟モノかと思ったら、再婚した両親の連れ子で全く血は繋がっていません。ちょっと、がっかり?

イケメン弟攻逸輝×眼鏡兄受尚崇。両親が事故で他界し、唯一の家族となってしまった弟に密かに想い続けている兄です。
ところが、葬儀の日を境に弟の態度が冷たくなり、いきなり理由も言わず家を出て一人暮らししたいと告げられ、尚崇は酷くショックを受けます。
ま、ご想像どおりに弟もお兄ちゃんのことが好きで、不埒なことをしでかしそうで襲っちゃいそうで恐くなり、家を飛び出したんですね。

その後は、もう何だかはぁ?みたいにエロ展開。この私が後ずさりました。
意味不明にHなシーンが多くて。
逸輝が家を出て行った後、誰もいない弟の部屋のベッドの上でひとりHするお兄ちゃん。「なにやってんだ…馬鹿じゃないのか」と独白してますが、そのとおりだと思います。
で、何も言わず出て行って反省した逸輝が家に帰ってみれば、女の気配漂う兄が遅い帰宅。逆上して襲い掛かり尚崇を一方的に凌辱。後日、反省して謝る逸輝に兄は「これからもずっと、仲のいい兄弟でいような」と、意固地に兄弟であることにこだわるセリフを吐くのもイミがよくつかめず。
別に、兄弟でもいいけど両想いってわかったんだから、血の繋がりもないし気兼ねなく愛し合えばいいじゃん、て思うのはモラル低すぎ?
しかしですね、ここにはゲイである葛藤とか親族家族会社の同僚からの反対とか差別とか、何も描かれておらず軽くスルーされています。尚崇がそこまで頑なになるなら、社会的なマイノリティの苦悩とか周囲から性癖を非難される場面があっても良かったんじゃないかと思います。そうすれば、もっと深みがあって感動するストーリーになったかも。

この後、またドン引きHシーンが登場です。無理矢理抱いたことを反省した弟が再び深夜家を訪れると、泥酔して寝転がってる兄発見。夢うつつに淫らな行為をしている兄を写メ撮り!おまけに手伝ってあげたりなんかしてるし。
ストーリーは特に珍しさが無く、エロが無駄に多いし、かといって萌えるかといえば今ひとつです。尚崇は、色気ありすぎでなかなかいいんですが、考え方に共感できなかったのが残念。

物語の根幹にひとつスジの通ったものがあれば、エロももっと堪能することができたと思います。行為だけじゃ萌えられない。次回作に期待です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ♥BLノベル♥
感想投稿日 : 2011年6月17日
読了日 : 2011年6月16日
本棚登録日 : 2011年6月16日

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