初読み作家さん。キャラがなんとなく銀○ぽくて惹かれました。
青年実業家とバーテンダーの恋の駆け引きが、スリリングで面白かったです。丸ごと一冊この二人の話なので、読み応えもありました。
酷い男×悪い男と帯にあるけど、薄情な男と騙す男と言った方が近い二人。
羽振りのよさそうな和智は、利用価値のみで人付き合いをするような男。そんな和智が生まれて初めて運命の相手だと感じたのは、バーテンダーの槙尾。これがまた色気ダダ漏れ!ホクロがそれ反則でしょ!と思わせる色っぽさで、和智は槙尾に夢中になってしまうのですが。
まんまと騙されてしまったのに、なぜか金を巻き上げられた腹立ちよりも槙尾の自分への気持ちまでが嘘だったのかどうかが気になってしまう槙尾です。
ひょっとして初恋!?恐ろしく重症なんです!「金も仕事も全て失っても、最後に槙尾がいてくれれば」って、…おいおい!
でもHの相性は最高の二人。身体は案外嘘をつけないものなんですね。
槙尾は確かに金を巻き上げますが、よくよく見てると和智が文句を言いにくるための口実作りになっていて、彼もまた惚れてるんだねとにおわせます。ゲームのように見せて、槙尾もどんどん本気になっているのに気付くと話が俄然と面白くなってきました。
追いかけると逃げる、逃げれば追いかける、という恋愛セオリーが生かされていて上手いなと思いました。
和智の全てを投げ打つ覚悟までしてしまった恋心は、彼の心の成長のあらわれですね。信じても信じなくてもどっちにしても槙尾を手放す気はないという心意気が潔くてすてきです!槙尾も詐欺師としての引き際を見失ってしまったのは、もしかしてうっかりではなくわざとなんでしょうか。「誰にも渡したくないカモ」と大きく言ってのけてるけど。
カバー下もサギまがいのサウナで…でも、槙尾のあざといニャンコ姿と、主人のくせにネギしょってる和智を発見して、満足。
- 感想投稿日 : 2013年11月22日
- 読了日 : 2013年11月22日
- 本棚登録日 : 2013年11月22日
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