一途で切なすぎる恋の話でした。
ARUKUセンセ原作とのことで購入してみました。雲居ゆきセンセの絵柄はやさしくて繊細で話のイメージにぴったりで、特に薄幸なねずみちゃんがとてもかわいかったです。
ストーリーはあのARUKUワールド全開で、涙が止まらなかったけれど読後は心が洗われました。雲居センセは原作の独特の世界観をきちんと描き出していたように感じました。
大手文房具メーカーの若手常務×消しゴム工場の工員。
爆発事件で失明してしまった悠馬は、敵が多い自分の味方として「名無し君」だけに無防備な姿を見せるようになるのだけど、本当の恋を知らずにいい加減な人生を送ってきた金持ちの顔だけ男というのは絶えず見え隠れしています。
一方のねずみちゃんはやさしくて心がきれいな男の子なんですが、吃音のせいで周囲からは誤解されてばかりの損な人生を送っています。
道雄が悠馬を好きな理由にキュンときました。悠馬にもすごくピュアな子供時代があったのね…
消しゴム工場!?っていう設定に驚きました。
でも毎日単調な作業に一生懸命向き合う道雄と、かわいいのにできそこないとして廃棄されてしまう不良品には似たものがあって、胸が締めつけられます。
金持ちのお坊ちゃんの悠馬にとってはお弁当やパンなんて些細な好意だろうけど、そこにはねずみちゃんのせいいっぱいの思いやりがつまっていて、胸が熱くなりました。
ねずみちゃんの遺言をみつけて悠馬の悪友の柏原が追いかけるシーン涙が止まりませんでした…!柏原を見直した!ねずみちゃんに言い聞かせた言葉もよかったです。
それにしても恐ろしい女でしたね~
悠馬が真実に気づいてくれてほんとに安堵しました。
本当の恋も知った悠馬。よかったです。それもこれもねずみちゃんの献身愛のおかげですね。
おい、とか名無し君、としか呼びかけてなかったけど、最後に人魚姫って呼んでてラブラブでよかった!
今後はねずみちゃんに感化されていい男になっていい経営者にもなって、幸せにしてくれると思います。
「ダリアの恋」は、戦時中の商家の下男とその家の病弱な長男との恋物語。こっちもイジワル継母が嫌な女で。
辛さを乗り越えて結ばれる胸を熱くさせるお話でした。
- 感想投稿日 : 2015年10月12日
- 読了日 : 2015年10月12日
- 本棚登録日 : 2015年10月12日
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