久々の新刊で喜んだのですが、実は2012~2013年に連載していたものとのこと。
最近新刊出なくて、BLに愛想尽きたかと心配していました。
センセのようなマトモで清らかでセンシティブな作家さんは、どうしても腐った下心で読んでしまう自分のようなヲタに耐えきれないんじゃないか…と、マジでずっと心配していたんですよね…
でも、新作も少しずつ描いてくださってるみたいで安堵しています。そりゃBLじゃない方がセンセの素晴らしく美しい作品をより幅広い読者層に知ってもらえるから良いとは思うけれど、やっぱり繊細緻密なタッチで描き上げられたエモーショナルなボーイズラブで萌えたいんですよね…
「ゆうづつ」は宵の明星のことです。風雅ですね。
大正か昭和の頃の時代背景で、同じ屋根の下で下宿することになった書生と駆け出し作家が主人公です。
慎太郎は章吾の第一印象から、気が合わない相手だろうと苦手意識を持つものの、少しずつその内面を知るにつれてもっと相手の事を知りたいと思うようになっていきます。
相手の見えない心の内面を、書いた作品を通して知っていく…というところが良かったです。その過程が繊細で美しい絵柄で表現されていて、魂が浄化されました…
表紙はもちろん、カバー下もため息ものです。
レトロな雰囲気がたまらなかったです。
それだけじゃなく、無機質に見えた慎太郎が章吾の生い立ちに思わず涙したり、章吾もオトコの影に嫉妬したりとちゃんと人間臭さもあって、ラブストーリーとしてもすてきでした。
書き下ろしの「盂蘭盆会」は、二人がこれからもずっと一緒であることが確信できたお話でした。章吾は年下わんこから、成長した顔つきになっていて感無量。
- 感想投稿日 : 2020年9月4日
- 読了日 : 2020年9月4日
- 本棚登録日 : 2020年9月4日
みんなの感想をみる