極道の花嫁 (ガッシュ文庫)

  • 海王社 (2008年4月28日発売)
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本棚登録 : 104
感想 : 10
4

ベタすぎるタイトルなのに気になるジャンル。うーん、表紙見ただけでストーリー丸わかりなんですけど…

昔気質な鈴本組の跡取り息子、尚弥が父親の保釈金の肩代わりとして、幼馴染みのこれまた極道の伊織に「嫁入り」することになる、という王道ラブコメ。読み始めたら面白くて止まらなくなりました。

受の尚弥が絵に描いたようなアホの子で、時代錯誤な屋敷より白い洋風豪邸に住みたいなんて夢見ている高校生なのです。でも、なよなよしてるわけじゃなく、強気で元気のいい男の子。自分のことを「やればできる子」だという思い込みもはげしく、組を助けるために頑張ってしまう単純でまっすぐな性格も可愛くて憎めません。
ただ、一番大事なことが見えていないのが残念というか、おバカというか、抜けています。なので、渡瀬組の後継者として遜色なく、男としての魅力も充分な伊織が、実は自分にゾッコンだというものすごくステキな事実にまったく気付いてないのです。
伊織はちゃんと昔の約束を覚えていて、白いお家まで手に入れて、ヘタクソな料理も残さず食べてくれて、めちゃくちゃ尚弥のことを想っているのがダダ漏れなんですが。

伊織と自分は互いに好きでもなんでもない、と思い込んでいる尚弥のとる行動は、いちいち危なっかしくてハラハラさせられます。
そんな尚弥のことを毎回しっかり守る伊織に惚れ惚れ。愛を感じる。
しかしですね、伊織も「嫁」とか「夫婦盃」とか「厄介者」とか、受のことを勝手に独占しようとしていて、その偏愛ぶりが笑えます。そして、そんな伊織に「嫁」としてのおつとめをあれこれさりげなく躾けられる尚弥なのですが、意外に素直に応じていてかわいい。「キライ」という言葉とはウラハラな気持ちをさんざんみせつけられてしまいます。

終始バカップルのしょうもないイチャコラ話なのですが、妙にツボにはまります。ただの嫁入り話じゃなくて、幼馴染みでやんちゃ受って要素がプラスされているのも面白かった。日頃元気な尚弥が、ベッドでは素直でしおらしいとこがギャップ萌え。そこに伊織もハマってきゅんきゅんしてるんだろうなーと思ったり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: バーバラ片桐
感想投稿日 : 2012年2月1日
読了日 : 2012年2月1日
本棚登録日 : 2012年2月1日

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