テミスの天秤 とある弁護士の憂い (大誠社リリ文庫 48)

著者 :
  • 大誠社 (2012年11月12日発売)
3.63
  • (4)
  • (7)
  • (13)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 64
感想 : 8
3

お仕事ものBL。華やかな企業相手の弁護士ではなく、マチ弁の日常が細やかに描かれています。弁護士ものが好きならおすすめです。
でも、その分糖分が少ないんですよね。
ペーパーも糖分控えめ。主人公の性分が影響しているのは確かです。

白石は大手法律事務所の上司との不倫に悩み、関係を清算して事務所も辞めてしまいます。身の振り方に迷っていた時、ある裁判で藤巻という弁護士の手腕に惚れ込み、無理を言ってノキ弁として事務所を使わせてもらうことに。
しかし、法廷と違って藤巻の素顔はだらしなくいい加減。白石はそんな藤巻に、ついつい口うるさくなってしまいます。

藤巻はマチ弁で、リーマンから転進した変り種。その分、ちゃんとした志があるところがいいです。金儲けでやってるわけじゃない。
そんな藤巻の人間性の素晴らしさに、白石がだんだん気付いていくところが読みどころです。

ただ、恋愛面では今ひとつ互いの恋心がいつどうやって芽生えたのか理解しにくかったですね。仕事をしていくうちになんとなくでしょうか?白石はそうだとしても、ゲイじゃない藤巻はどうして好きになってしまったのか、そこのところをもっと納得したかったですね。
でも、エロ的には白石がベッドでゲイの女王様ってところを遺憾なく発揮していて、藤巻を翻弄しまくっていたのがウケました。お仕事中とベッドでのギャップが素晴らしいです。
それから、みずかねりょうセンセの繊細で美しいイラストがよかったですね。実は表紙買いだったりしましたが、中身もしっかりしたお仕事BLで面白かったです。

糖分控えめなのは、藤巻が実はヘタレてるのが原因ではないかと思ったのでした。ペーパーでは、酔っ払って使いものにならなくなってるし。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 井上ハルヲ
感想投稿日 : 2012年11月14日
読了日 : 2012年11月14日
本棚登録日 : 2012年11月14日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする