17歳は2回くる おとなの小論文教室。(3)

  • 河出書房新社 (2006年5月18日発売)
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本棚登録 : 320
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社会人17歳、大人になってからの思春期。
17年目にして独立した筆者が、もがき苦しむ自分をさらけ出し、感情を紐解き言語化していく様。感情ってその時は何故そうなったのか分からないくて結局そのままのこともある。だからこれだけ言語化できるのは凄いと思う。

焦燥感に苛まれて苦しんでいたとき、些細なことで筆者は自分の中の暴力性を自覚する。暴力は他人事ではなく自分と地続きであったと。暴力が生まれる前には人権の抑圧がある。それは他人ばかりではなく自分自身が犯人であることも。自分で自分を押し殺していると何処かに歪みが出る。とても共感できるエピソードだった。
また、人の話が聞ける強さや、努力もせずチャンスを掴もうとビッグネームにつられる弱さなど。

筆者は情け無い自分をさらけ出し自戒しているけれど、世の中誰しもそんなのばかりでモヤモヤしていて、この本で言語化されることでスッキリする人は沢山いるんだろうな。私も含めて。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年12月11日
読了日 : 2018年12月11日
本棚登録日 : 2018年12月11日

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