翻訳とは何か: 職業としての翻訳

著者 :
  • 日外アソシエーツ (2001年8月27日発売)
4.11
  • (16)
  • (11)
  • (10)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 167
感想 : 23
5

翻訳の歴史からはじまり、翻訳業界の実態、問題点まで厳しく書いた本。語学力を生かした仕事がしたい、小説は書けないけど翻訳ならできるだろう…多くの翻訳学習者が抱いている甘い考えを容赦なく切り捨てている。

翻訳は原著を深く理解し、日本語で表現する仕事。
英語の読解力について
第一段階→文法知識に基づき文章の構造を解析し、単語の意味を辞書で調べながら読む段階。学校教育で学ぶ英文和訳のレベル。
第二段階→外国語であることを意識せず、文章構造を意識しなくても自然と内容を理解できる段階。辞書がなくとも単語の意味が文章から推測できるため、辞書なしでいくらでも読み進められる。
第三段階→英文の内容を深く理解し、文章の構造や英語と日本語の違いを意識しながら、表現できる段階。

翻訳を学習する際は、最低でも第二段階まで達していなければならず、第二段階の目安として英語の本を百冊(!)程度は読んでいなければならない。
翻訳学習者のほとんどは「得意な語学を活かして〜」と言いながら第二段階に達している人はほとんどおらず、第一段階すらままならない人もいる、ということを指摘している。
半端な気持ちで翻訳者を目指すべきではないことを痛感させられる本。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 英語
感想投稿日 : 2013年7月14日
読了日 : 2013年7月14日
本棚登録日 : 2013年7月14日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする