末期がん患者が入院する病院で、医師として働く30代のルミ子。
「空気が読めない」「患者に失礼ないことを言う」と言われていて、患者からも看護師たちからも評判が悪い。
あるとき、病院の敷地で聴診器が落ちているのを見つけた。その聴診器を患者の胸に当てると、患者の心の声、記憶を聞くことができるのだ!
死を前にして、人生の後悔が残る患者たち。
芸能界デビューすればよかった。
仕事ばかりせず子育てもすればよかった。
娘の結婚を反対しなければよかった。
自分が罪をかぶればよかった。・・・
選ばなかった人生を選んだら、どうなっていたのか?
人の思っていることがわかるというと、下世話な好奇心を満たしたくなる気がするけど、その点ルミ子はどうだったのだろうか。
ルミ子は、患者が人生の後悔を残さずに安らかに死ねることを一番に考えていたのは本当だと思う。好奇心もあっただろうとは思うけど・・・優しい医師だと思った。
思いがけずガンからサバイブした患者について、なんか生き残ってがっかりしているような?そんなことないか。
ラストでは、小学生の時に別れた実父と聴診器なしに心を通わせることができ、聴診器はもう必要ないと思えたのだろう。
でも、私ならお守り的に持っておきたいけど・・・笑。
聴診器は、ルミ子より空気が読めない摩周湖に渡り、これからこの病院はどうなるのだろうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
生き方
- 感想投稿日 : 2024年1月8日
- 読了日 : 2024年1月8日
- 本棚登録日 : 2024年1月6日
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