The Clash of Civilizations and the Remaking of World Order

  • Simon & Schuster (2011年8月2日発売)
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サミュエルハンチントンの超大作、『文明の衝突』。
学校の先生からの紹介で読み始めた。英語で読んだため次第に疲れ、後半は読み飛ばしてしまった箇所が多い。
以下、穴だらけの概略。(基本的には知識整理)



この本は冷戦崩壊後の世界パラダイムについて論じている。

冷戦下では自由民主主義と社会主義の対立で世界を斬ることができた。各国はどの陣営に属すかのみが重要で、両陣営内での争いは少なかった(捨象された)。


しかし1998年12月、地中海の小島で冷戦の終結が宣言された。


この時フランシスフクヤマの、『歴史の終わり』、が注目を集めた。
冷戦の終わりは自由主義の勝利、普遍化を意味し、各地での争いは終結して、ある意味「つまらない世の中」が到来する、というものである。ベルリンの壁は崩壊し、両陣営は崩壊、超大国アメリカが世界新秩序を提唱した。
多くの人はフクヤマに同調した。




これは全くの虚構だとハンチントンは言う。
実際、虐殺、という言葉の使用回数は激増したのである。



ここで新たなパラダイムをハンチントンは主張する。



世界を7or8の文明で分割する。
①西洋
②ラテンアメリカ
③イスラーム
④sinic=中国?
⑤ヒンドゥー
⑥orthodox=正教?
⑦日本
(⑧アフリカ)
である。

文明の性質は少し曖昧にしていて、
(①都市化、教養、知性=文明。←フランス18世紀。19世紀から複数の文明へ。)
②文化的体系?とくに宗教が重要。
③文明は他との関係で成立。最高次の文化体系、社会集団、アイデンティティ
④歴史的に変化する
⑤政治的機能持たず。国家=文明は日本のみ。
これらを特徴とする。
この曖昧さが多くの読者に批判された。


とにもかくにもこの多文明世界観は、
冷戦後に各人、国が自らのアイデンティティを再考したこと
近代化、グローバル化が世界の西洋化ではなく、むしろ各文明を伸張させ、西洋の相対的衰退をもたらすこと
から構築される。


次に西洋文明の没落、を紹介しながら他文明についての説明が記される。
とくに
アジアの経済成長
イスラムの人口増化、西洋文化普及への反発
を要因とする両文明の強大化に多くの紙面を割いている。
イスラム文明についてはとくに危惧していて、イスラム文明内対立、イスラム対他文明対立の多さを指摘している。


西洋文明の行方をかんがえながら、現在の文明間対立、協調について多くの資料を利用しながら論じていく。。。

後半が少し曖昧。具体的事実を読み飛ばしたりしたので。



これが概略である。文章ヘタクソですいません。


感想
まずスケールの大きさに感動した。現在を捉える型の一つにはなりうるだろう。

しかし同時にこういう理論は粗い。文明の定義は曖昧(仕方ないけど)なのに、それらを紛争の主体ならしめることは可能なのか?
文明と宗教を混合して使っていることにも少し疑問を感じたし、文明設定に恣意性を感じた。



などと偉そうに批判したけど、私は世界史学習が浅いし、世界史を捉える視座が少ないからまだこういう理論?を相対化できない気がする。

知識の蓄積と体系化に邁進したい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年3月8日
読了日 : 2012年3月7日
本棚登録日 : 2012年3月7日

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