今年の文藝賞受賞作です。
内容は『おしかくさま』というお金を神様を信仰することによって
お金持ちになれるとうたっている新興宗教と
それに関わる家族のお話です。
仕事をリタイアした父親がこの宗教の信者の家に通うようになり、
それを不審に思った40代の姉妹と母親が話し合い、
尾行をするところから話は始まります。
視点がころころ変わるのが特徴です。
けれど、読みにくいって印象はありませんでした。
むしろ、父から姉、妹、妹の娘、母といろんな視点があることで、
その新興宗教をどういう風に捉えているかとか、
お金について思うことなど
一つの事柄に関して多角的に書かれるので比較していくのが面白かったです。
作品の中で、震災の義援金についても書かれています。
新興宗教と義援金が対比対象になっているのはすごく不思議な感じでした。
あとは、お金の神様を信仰するだけでお金持ちになれるんだったら
苦労しないよなぁと思いました。
信仰によって救われる部分もあるでしょうけどね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説。
- 感想投稿日 : 2012年11月9日
- 読了日 : 2012年10月26日
- 本棚登録日 : 2012年10月26日
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