この本の読みどころは二つあった。
ひとつは、ユング派でありながら、うつ病についての生物ー心理ー経済ー社会性という多様性を浮かびあがらせ、バランスの取れた視点から、鬱に「エゴサイド」、つまり自分の否定的な側面の自我を殺すことという、肯定的側面を持つことを例証したこと。
もう一つはこの方が臨床で出会ったエゴサイドをくぐり抜けた事例が提示されていること。こちらは、事例自体の迫力もさることながら、著者ローゼンがどのような介入をしているかから、誠実な臨床態度がほの見えます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
臨床
- 感想投稿日 : 2015年9月8日
- 読了日 : 2015年9月8日
- 本棚登録日 : 2015年8月22日
みんなの感想をみる