言いたいことは1分にまとめなさい

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  • 明日香出版社 (2021年3月28日発売)
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感想 : 1

自分の言いたいことを相手に伝えるために必要なことを学べる本です。
長く話す方が相手に伝わる、と思いがちですが、実際には、長く話したのに相手に伝わっていない、と感じたことがある人が多いのではないでしょうか。
短く話すことは悪いことではなく、自分が何を伝えたいかを明確にし、その思いが伝わる伝え方としては、短くまとめられることができる方が効果的です。
シンプルに話すことの重要性や、人はどんな話に興味を持ち、聞いてくれるようになるのかなど、短くても伝わる話の仕方を紹介しています。
ビジネスシーンだけでなく、日常会話でも、自分の言いたいことが相手にうまく伝わらないと悩む方が、その解決のヒントを得られる1冊だと思います。

【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「1分は思いのほか長く話せる。250字がおすすめ。スピードや間の取り方で、伝えることが可能な文字数は違う。ひらがな17文字で2〜5秒の差が出る。聞く人の年齢や会場の広さに合わせてスピードをコントロールして話せるよう、タイムを計りながら練習してみる。」
「聞く人が飽きずに聞けるスピーチの理想的な時間配分は、1分スピーチがベースで、そこにエピソードを盛り込んで話せば、人を飽きさせない3分スピーチができる。」
→具体的な文字数がわかると、組み立てを考えるのが非常にラクになると思いました。意識していたいです。
「ネガティブなことを、相手を傷つけない肯定的な表現、不快にしない表現にする。脳は後半の言葉に注目するという特徴がある。後半にポジティブな言葉があれば、前半でネガティブなことを言われてもイメージが弱くなり、それほど気にならない。ビジネスシーンでは、人の不安感を煽らないよう、前半に肯定的な言葉を置きながら、後半で行動を促す言葉を置く手法も多く見られる。」
→相手の心理的安全性を確保し、話しやすくするためにも必要なことだと感じました。
「『間』がないと、話はとても聞きにくい。理想とする話し方は、①言葉の姿勢が良い(文字間と文節間のリズムが整っていて、一つひとつのひらがながしっかり相手に届く)、②間が取れている(聞いている人が話の内容を整理する時間)、③少しの可笑しみがある(フッと息抜きができるような瞬間)、の3つ。」
→趣味の落語鑑賞の際に、名人と言われる人は間の取り方が心地よい、と感じます。まさにそれを裏付けていると感じました。

【もう少し詳しい内容の覚え書き】

・短いから悪いというわけではなく、自分が何を伝えたいかを明確にし、その思いが伝わる伝え方ができればよいが、話すことに対するコンプレックスが強いと、長く話せることが良いという錯覚がなかなか消えない。
・話し方の問題が解決できると、顔が変わる。安心感や解放感が、すぐに表情に表れる。安心感はやがて自信に変わり、自信は姿勢や態度からも伝わってくる。

○「伝わる人」の手法はものすごくシンプル
・1分は思いのほか長く話せる。250字がおすすめ。スピードや間の取り方で、伝えることが可能な文字数は違う。ひらがな17文字で2〜5秒の差が出る。聞く人の年齢や会場の広さに合わせてスピードをコントロールして話せるよう、タイムを計りながら練習してみる。
・長い話を1分でまとめるコツは、「結論と理由」をセットにした伝え方を習慣にすること、「過程」の話をしないこと。結論と理由をひと言で述べると、聞く人の納得という感情を引き出せる。
・人が納得するのは、自分の疑問や不安が解消されたとき。5W2Hによる疑問解消がなされたときに、はじめて納得という肯定的な感情が生まれる。相手の疑問を解消する伝え方がビジネスの基本だが、課題に対する結論と理由は、論理的な伝え方の基本でもある。
・人の心は複雑で、納得できれば動くとは限らない。むしろ感情が大事という人もいるので、感情的なものを加味しながら伝えていかないと、人はなかなか動いてくれない。相手が感情的思考の強い人かどうかを見極めて伝えるスキルも必要。
・相手に解釈させない、数値や比率でより具体的に伝えることが「伝わる」の基本。

○伝わらない原因がわかると解決法が見えてくる
・原因として多いのは、「目的を忘れている(究極の目的は「人を動かす」)」、「長々と話しすぎる(人は「聞きたい」ことしか聞かない)」、「イメージできない言葉で伝えている(イメージがないと動けない)」、「自分目線(筋道の見えない話は混乱を招く)」、「伝わらないと思い込んでいる(人は思い込みに満ちた存在)」、の5つが多い。

○「伝わる人」の話はココが違う
・ビジネスパーソンにとって、「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」は、相手とのコミュニケーションを育む大きなチャンス。客観的なデータが含まれていると、安心して今後の判断ができる。客観的事実と自分の感想を分けて伝えることを習慣化する。
・ネガティブなことを、相手を傷つけない肯定的な表現、不快にしない表現にする。脳は後半の言葉に注目するという特徴がある。後半にポジティブな言葉があれば、前半でネガティブなことを言われてもイメージが弱くなり、それほど気にならない。ビジネスシーンでは、人の不安感を煽らないよう、前半に肯定的な言葉を置きながら、後半で行動を促す言葉を置く手法も多く見られる。

○伝わるスピーチ&プレゼンのコツ
・聞く人が飽きずに聞けるスピーチの理想的な時間配分は、1分スピーチがベースで、そこにエピソードを盛り込んで話せば、人を飽きさせない3分スピーチができる。
・五段階情報整理法を使うと、聞く人の疑問を喚起・解消しながら、誰でも簡単に論理的に話すことができる。テーマ(話の主題を決める)、結論(テーマに対する答え)、理由(結論に対する理由、目的、根拠)、背景(過去・現在・未来の視点を持ち、5W2Hで疑問を解消しながら)、まとめ(聞いている人と気持ちを共有しながら全体をまとめる)、という形でストーリーをまとめる。
・感動や笑いの分岐点は“裏切り”にある。聞いている人の期待や予測がポジティブに裏切られたとき、人は感動したり笑ったりする。聞いている人たちがどのような期待や予測をしているかをキャッチアップするセンスが求められる。経験値を高める。

○さらに「伝わる人」になるとっておきの技
・基本的に人は他人の話に興味がない。冷たいようでも、相手が聞かなくていいと選択したのであれば、その選択を尊重してよい。損するのはその人自身。役目柄、全員に何かを浸透させなければならないときは、その人自身に影響する話であることがわかるように伝える、話し方にメリハリをつけるなど、伝えるための努力をする。
・結論と理由を言ったあと、言葉が出てこないときは、「たとえば」「実は」などの接続詞を使って脳に刺激を送ると、それだけで自然に言葉が出てくるようになる。

○伝えるスキルを活かす「話し方と表現力」
・日本語の多くはアゴと舌で言葉を作る。アゴのトレーニング法は、①声を出して「アウ アウ アウ」と発音し、アゴの動きの硬さをチェック。②アゴの付け根とほほ骨の舌のくぼみあたりにある、押すと痛いところを探し、そこをぐるぐると30回くらいマッサージ、③再び「アウ アウ アウ」と言い、アゴの動きが軽くなっていたらOK、④“アゴを使って発音するぞ”と自分に言い聞かせ、自分の名前を4〜5回繰り返し言ってみる。“なんか話しやすい”と感じることができたら、アゴの筋肉がほぐれ、動きやすくなった証拠。舌をしなやかにするには、舌を裏返し、舌先を喉の方に引っ張る感じで、何度も舌先を吸うことを10回くらい繰り返すだけで舌が柔らかくなり、舌を使った話し方ができるようになる。
・「間」がないと、話はとても聞きにくい。理想とする話し方は、①言葉の姿勢が良い(文字間と文節間のリズムが整っていて、一つひとつのひらがながしっかり相手に届く)、②間が取れている(聞いている人が話の内容を整理する時間)、③少しの可笑しみがある(フッと息抜きができるような瞬間)、の3つ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2021年
感想投稿日 : 2021年8月20日
読了日 : 2021年8月20日
本棚登録日 : 2021年8月20日

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