自分も春から管理職に着任したので手に取ってみた。読みやすく、既に管理職であったり、これから管理職に昇進する女性がエンパワーメントされる内容になっている。
冒頭で、女性登用を推進する政府の方針や、ダイバーシティ経営を目指すことのメリットが書かれており、女性が管理職になることは、自身のためだけでなく国や会社のためにもなるとわかり、自分では力不足というような思いも消え、私が管理職になればアナタたちも助かるでしょうという気持ちで割り切ってやってやろうという気持ちになれた。
管理職への昇進意欲は男女で大きく差があり、男性の9割以上が管理職を目指したいと考えているのに対し、女性は6割弱にとどまっている。それは女性が意欲が低いからではなく、社会の構造に原因があることを、統計的差別、アンコンシャスバイアス、トークニズム、インポスター症候群などの例を用いて説明している。米ヒューレット・パッカー社の調査では、女性は男性に比べて自分の能力を低く見積りすぎる傾向が明らかになったそうだ。
管理職になるメリットもたくさん挙げられており、自分の裁量で組織や制度を変革させられることや、後進を育成することのやりがいは、私も既に感じている。また、行きすぎた謙遜から管理職への昇進を断ることは、後進の女性にバトンをつなぐことが遅れることにもつながるという指摘にはハッとさせられた。
管理職として持つべきマインドセットの章や、ケーススタディはありきたりで目新しいものではなかったが、他責にしないことや、自分の言葉で語ること、失敗から学ぶことなどが大切だとわかった。また社内に味方(スポンサー)を作ること、女性の横のつながりを作ることなどは参考になった。
管理職を打診されて迷っている女性や、管理職になったばかりで不安でいっぱいの女性はぜひ読んでみると良いと思う。
- 感想投稿日 : 2023年5月7日
- 読了日 : 2023年5月6日
- 本棚登録日 : 2023年5月6日
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