ダフネ・デュ・モーリアの再来!などという宣伝文句に釣られて読んだ。オーストラリアの若き人気作家の処女作。確かにゴシックミステリ。背景も緻密な調査に基づいているのであろう。ストーリー展開もまあおもしろいし読ませる。でもなぜかどこか物足りなかった…「レベッカ」のように、名もなきヒロインの不安が痛いほど伝わってくるような感じがなく、普通のミステリという感じ。語り手の元メイドの女性は、第二次大戦後に考古学で博士号とったり、60過ぎてからメイド時代の初恋の男性と一緒に暮らしたりと、さらに波瀾万丈の人生を送ったようで、むしろこっちの話のほうが読みたいような気がした。
この本でよかったのは著者解題がついてることで、執筆にあたり参考にしたという資料がどっさり挙げられている。デュ・モーリアに自伝があるとは知らなんだ。ぜひ読みたい。さらに、この本を読んで似たような物語に関心を持った読者のためにいくつかオススメの本が挙げられている。知らない作家、作品もあったのでこれは収穫!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2014年4月17日
- 読了日 : 2014年4月17日
- 本棚登録日 : 2014年4月14日
みんなの感想をみる