暗殺のハムレット (ファージングⅡ) (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2010年7月27日発売)
3.84
  • (11)
  • (44)
  • (21)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 200
感想 : 22
4

ファージング2巻も面白かったです。
今作の中心は、貴族の6人姉妹の内の一人で女優をしているヴァイオラ・ラークと、カーマイケル警部補。全く違う流れがひとつになっていき、怒涛の爆殺計画ラストまでハラハラしました。
ヴァイオラがいるラーキン姉妹、それぞれの嫁ぎ先や所属組織でバラバラの方向にいるの面白いです。次女はヒムラーの妻で、四女はロシアに属する共産主義者。三女のヴァイオラが、離れたくとも絶ち難い姉妹関係によって巻き込まれたヒトラー暗殺計画と、ハムレットの舞台を成功させることの間で板挟みになりまくるの気の毒。。
カーマイケル警部補も、ネチネチした上司のせいでヤードを辞めると決意してたものの、ノーマンビー首相がイギリスにも作りたいゲシュタポの長官させられることに。マーク・ノーマンビーの悪意凄いな…前作の最高に素敵なレディ・サーキーも消されてたし。
…ロイストンがいきなり退場したのびっくり。密告は駄目だけど有能ではあったのに。今後はジェイコブスンが彼の代わりになるのかな。
最早、ノーマンビーとヒトラーを暗殺してもこの国のファシズムはびくともしない、みたいな事にカーマイケル警部補が思い当たるのリアルでした。ゲシュタポになる気だけど、ゲシュタポでありながらこっそり逃したりして国民の意識を変える!というカーマイケルを信頼しつつ、最終巻も読みます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年1月22日
読了日 : 2022年1月22日
本棚登録日 : 2017年11月25日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする