ニッポン巡礼 (集英社新書)

  • 集英社 (2020年12月17日発売)
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<目次>
第1章  日吉大社・慈眼堂・石山寺(滋賀県)
第2章  羽後町田代・阿仁根子(秋田県)
第3章  能登半島(石川県)
第4章  八頭町・智頭町(島根県)
第5章  奄美大島(鹿児島県)
第6章  萩(山口県)
第7章  三井寺(滋賀県)
第8章  南会津(福島県)
第9章  青ヶ島(東京都)
第10章  三浦半島(神奈川県)

<内容>
東洋文化研究者で、徳島県の祖谷や長崎県小値賀島に滞在型の古民家宿を経営しているイギリス人。彼の「隠れ里」探しの旅の記録。著者の人生の話も出てくる。われわれ日本人が気づいていない、日本のよさを教えてくれる。圃場整備が進んでいない棚田。ブルーシートで屋根や田畑が覆われていない、茅葺や杮葺きの村、寺、神社。近代の杉が意図的に植林され、放棄された山ではなく、いわゆる里山(これとて原生林ではない。近くの村人がかつて管理していた林)。そこに美しさを見出す。高度成長期に日本人が陥っていた、駆け足の「物見遊山」ではなく、その地域の自然を文化をじっくりと愛でる旅。これからの社会で必要なのは、稼ぐために、どこでも同じ金目のものを作り(駐車場や土産物屋)、乱暴に管理し(木の枝は「ごみ」を出すから伐採するとか)、荒らしていくのではなく、”今そこにある状態”をゆっくりと眺める旅、観光なのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年1月13日
読了日 : 2021年1月13日
本棚登録日 : 2020年12月17日

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