最強の教訓! 世界史 (PHP文庫)

著者 :
  • PHP研究所 (2018年10月1日発売)
3.61
  • (20)
  • (10)
  • (22)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 371
感想 : 26
5

歴史から何を学ぶかということを問われている。歴史書をこれから読むとき考えさせられる内容だった。

個人的に考えされられたのは…。

上杉謙信:(転戦を繰り返し、生涯明確な戦略を定めきれなかったことから)人生の方向性を定めないと、気づいたら晩年になってしまうこと。

タフマースブ1世:(オルマントルコの大軍の侵攻に対し帝都放棄という選択から)勝つことだけが目的ではないこと。「負けない」という一見消極的な目標が戦略の根幹になりえること。

オットー・ビスマルク:(プロイセン=オーストリア戦争に戦勝しても、むやみに禍根を残さないような戦後処理をしたことから)結果が最上になっても、最終目的を見失わない重要性。それを貫徹するには、未来の状況を予測する目を失わないこと。

非常にメジャーな人物たちも紹介されており、学生時代に生涯を勉強したはずだが、本書を読んでその生涯から「何も学んでいなかった」ことに気づいた。知識として偉人たちの生涯を「知っている」という状態と、その知識から「気づきを得た」という状態、そしてその気づきを教訓に「何かを実践する」という3つのレベルには、それぞれ雲泥の開きがあることを思い知った。

読書は人生の中で見落としている事柄に気づくため、知恵を借りる行為だ。借りるばかりではなく自分自身の人生に活かすという視点を持ちたいと思えた。歴史書を読むとき以外にも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・文化
感想投稿日 : 2020年10月31日
読了日 : 2020年10月31日
本棚登録日 : 2020年10月31日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする