亜人ちゃんは語りたい(7) (ヤンマガKCスペシャル)

著者 :
  • 講談社 (2019年4月18日発売)
4.07
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本棚登録 : 452
感想 : 9
4

新しい亜人、比嘉薫がメインとして動き回る巻。
モチーフとなったのは沖縄のキジムナーなんだとか。聞いたことが有るようなないような……

これまで登場した亜人たちが起こす現象は控えめなものかもしくは早紀絵のように周囲への影響を抑えようと努力するタイプのどちらかであり、その性質によって異変が起こることはなかった。
けど、キジムナーである薫はそれらとはまた違った方向性のタイプ
相手の感情が読めるとはどうやってお近付きになるかちょっと迷うタイプだね。本人もそれを判っているからか、世間を斜めに見ているようで。
そんな性質を持つ彼女が登場した時点ではその性質によってどんな波乱が巻き起こってしまうのかと危惧したけど、彼女があの高校で最初に出会ったのが感情に裏表の少ない京子であり、更に京子を通して普通の人と亜人が仲良くする光景を知ったからか、薫もひかり達と仲良くなりたいと普通に溶け込もうとするのはちょっと意外だった

ただ、薫が巻き起こした異変が一つだけあって。
人の感情が見えてしまう彼女は鉄男の周囲で燻っている恋の鞘当てに気付いてしまう。そして、早紀絵よりも京子に好意的な薫はそういった感情の燻りを京子に伝えてしまう
鉄男と他の誰かがくっつくのは時間の問題だと伝えられた京子。これはあまりに突然なこと。しかし、それに臆せず今日一回だけの勇気として鉄男に告白をかました京子はかなり思い切ったね
……それへの鉄男の対応がこれまた別の意味で素晴らしかったけど。あのセリフと表情を見開きで描いたペトス先生の勇気も凄い……

今回は駄目だったけど、次こそはと炎をメラメラと燃やす京子
これだけなら、次の告白も同じ結果になりかねなかったけど、ここで早紀絵が鉄男の尻を叩くような行動に出たのは驚き。彼女も教師であり生徒の想いに真摯に向き合おうとしており、また誰よりも「好意」という感情に悩んできた彼女だからこそ、敵に塩を送るような行為であっても鉄男が一人の女の子の好意をスルーしてしまうのは許せず、つい言わずには居られなかったのだろうね
この早紀絵の行為が京子と鉄男の関係に一石を投じるものになるかと思いきや、鉄男の中で好意を向ける相手はほぼ固まっているのか…?


第50話から始まるエピソードは既出の亜人大集合な回
その光景はとても賑やかで面白おかしく、尖ったものも細かいことも飲み込んでしまう
だから薫が元の高校での確執を語れば一瞬でそれは飲み込まれてしまう。……ギャグ空間に
うん、何と言うか、周囲との確執を亜人に因る性質のせいだと思い込んでいた薫にとっては衝撃的な指摘だったね、あれは
まあ、それで元の学校でも賑やかにやっていける可能性が出来たなら、薫にとっては良いこと…なのか…?

そして亜人大集合の裏で相馬によって語られる世界崩壊の危険性
相馬が語るだけなら笑って済ませられる事態だけど、本当に何か可怪しいことが起こってるよ…
え、どうなんの、これ……


そういや、作中であまり触れられてなかったけど、鉄男が髪型変えておでこ出したあれって薫の為だったりするのかな?
薫は瞳を見て相手の感情や心を読める。だからこそ、教師として彼女らに向き合う覚悟を固めている鉄男は薫から瞳がよく見えるように髪型を変えたってことなんだろうか?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2019年7月28日
読了日 : 2019年7月27日
本棚登録日 : 2019年6月29日

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