第六章「忘却録音」編スタートの巻
この章は他の章と違って凄惨さは控えめな代わりに鮮花と式がお嬢様学校を舞台に探偵ごっこをやるものだから、それはそれで良さが有ったりする
この章でキーワードとなるのは『記憶』
忘れた記憶を届けられる善意か悪意か判然としない事件。そこに絡みつく記憶の忘却
それを調査するのが兄を好きになったきっかけを思い出せない鮮花と事故に遭う直前を思い出せない式の組み合わせなのだから面白い
本作のヒロインは絶対的に式なのだけれど、鮮花は鮮花でいいキャラしてるよな~と思ったり
幼少時に兄の幹也に恋した挙げ句、幹也に妹と認識されない為に他家へ養子に出た鮮花。式が昏睡から目覚めたと知れば都心のお嬢様学校へ転入。その行動力は尊敬してしまう
鮮花の想いは純粋だから曇りがない、見ていて非常に面白いもの。特に鮮花は式が評しているように冷静なようで居て感情表現が正直だから、彼女の登場は本作には珍しい彩りを齎しているね
そんな彼女が幹也の恋人である式と一緒に黒桐幹也を思わせる玄霧皐月が関わる事件を調査するというのだから尚の事絵面が面白いことに
お嬢様学校が舞台ならもう少し華やかさが有ったっていいのに、この巻から漂ってくるのは得体の知れない不気味さばかり
宿舎への放火に始まり、妖精の目撃、忘却記憶の手紙、そして刃傷沙汰へ…
抜け落ちた記憶がそれぞれを追い詰めていく展開から目が離せないね
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
マンガ
- 感想投稿日 : 2020年6月20日
- 読了日 : 2020年6月20日
- 本棚登録日 : 2020年6月18日
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