カンピオーネ! 9 女神再び (スーパーダッシュ文庫)

著者 :
  • 集英社 (2011年3月25日発売)
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本棚登録 : 223
感想 : 13
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この表紙絵はカンピオーネ!シリーズで一番好きなかもしれない

アテナ再戦と『最後の王』の謎にさらに踏み込む内容となっている

今回メイン敵が再び戦うことになるアテナである為か、カンピオーネ!シリーズお得意の神様や伝承に関する蘊蓄は無い。
その分、草薙護堂と切っても切れぬ縁の宿敵とも言えるアテナの魅力は存分に描かれている。傲岸不遜で有りながら護堂に対し導き手としての優しさも見せるアテナの得も知れぬ魅力の前では、文化祭でのイチャイチャとか恵那との「教授」などの印象が薄まってしまうのだから不思議である。

自分の残り時間が短いと悟ったアテナ。命を永らえさせる方法があると知りながら矜持を保つ為にその道を選ばず、護堂との再戦を望む。そこにあった想いは二人が神殺しと神でなければもっと異なる言葉で言い表せられる感情だったのかもしれないけれど、殺し合う関係であるために二人が選べる道はどうしたって少なくなる。
護堂も一時はアテナを助けようとするものの、最終的には殺し合う宿命を受け入れ、むしろ心残りが無いよう全力でぶつかっていく。
だから護堂とアテナの再戦を今回のメインと見るなら、ランスロットとグィネヴィアの横槍は本当に邪魔としか思えないのだけれど、それによって二人の別れが近づいた段階で一時的とはいえ、護堂とアテナが共闘する奇跡の瞬間が生じたのは良かったな

珍しくもアテナを傷付け戦いを邪魔したランスロットとの再戦を自分から約束し、宿敵であるアテナを倒した後だというのにしっくりこない反応を示した護堂。どれだけ護堂にとってアテナが大きな存在であるかが判る描写だった

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトノベル
感想投稿日 : 2018年8月29日
読了日 : 2018年8月27日
本棚登録日 : 2014年11月10日

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