わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ! (※ムリじゃなかった!?) 2 (ヤングジャンプコミックス)

  • 集英社 (2021年4月19日発売)
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感想 : 2
4

ホテルに入ってしまったれな子と真唯、友達相手なら何も無しに終われるかもしれないけど相手が恋人であれば事情は変わってくる
ここでれな子を追い詰めてしまうのは二人の関係の特殊性
友達以上恋人未満とかお試しカップルとかだったら真唯もそこまで迫ってこなかったかもしれない。でも、真唯が髪を解いている間は恋人。それは偽物とかではなく本物。ただ時折関係性が変わるだけ
ああいった状況で二人の関係が恋人になれば、そういう雰囲気になるのも仕方ないというもの
まあ、それにしたって真唯は野獣の如く盛っていたけども。一旦ああなると真唯は止まらないタイプなんだなぁ。れな子必死の静止を振り解いて攻めに攻める姿はもはや危ない魅力に溢れているね

あと、意外というか当然の帰結と言うか、れな子が求める「理想の友達」と真唯が求める「理想の恋人」が言葉が違うだけで中身が同じであった点
れな子は自分が持つ理想を示す事でこのゲームに勝つつもりで居た。けれどそれを示したところで真唯は友達の良さに目覚めるどころか恋人として燃え上がってしまうわけだ
これは厄介な事態になってしまったね

それを思えば、燃え上がった状態で少し離れる事になってしまって、その間にれな子が紫陽花と急接近していたとなれば、真唯が自身の恋愛感情を通すために更に強硬になるのは当然の流れだったのかもしれない……

『友達』なんて消え去ってしまうような激しく情熱的な身体的接触。それは真唯の真っ正直な本気を示すものでありつつ、れな子にほんの少しだけ「流されても良い」と思わせてしまうもの
もしあそこで妹に見られなかった二人はどこまで進んでしまったのだろうね…


真唯不在の事態に急激に株を上げた人物が
一見だけでは陽キャグループの天然系に思えた紫陽花、彼女のほわほわした包容力は陽キャと陰キャの壁に苦しむれな子を癒やすものになっているね。また、誘いを断る事についてトラウマを持つれな子に優しく寄り添ってもいる

れな子と真唯は互いの中にある周囲に馴染みきれない寂しさをきっかけに仲良くなり始めて、あっという間に恋人の入り口に立ってしまった
けれどれな子と紫陽花の関係においては、最初にれな子が紫陽花の包容力に癒やされる流れが徹底される事でれな子はかつて真唯に求める筈だった友情を紫陽花に感じられる構図になっているね

なら一方の紫陽花はれな子をどう見ているかというと、途中まではそこまで強い感情を持っていなかった感じなのかな?
傘を融通し合う出会いから始まった二人、それが同じグループで過ごす内にれな子の可愛さや格好良さに好印象を持っていった感じかな。また、一緒にゲームを楽しめたという点も大きいような

それは紫陽花にとってもしかしたら好きなタイプのど真ん中。そんなれな子からあんな情熱的に迫られてしまったらそりゃ勘違いしてしまうというもの。誰にとっても予想外だったのはここで紫陽花の中にあっただろう友達以上恋人未満な感情が完全に花開いてしまった事か


真唯に友達を求めるれな子、れな子に恋人を求める真唯。唯でさえ互いの望みが通らない関係性の中に紫陽花が飛び込んで来てしまった
れな子から好かれていると思い込んだ紫陽花を加え、この厄介過ぎる関係性はこれからどうなってしまうのだろうね?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2022年6月30日
読了日 : 2022年6月29日
本棚登録日 : 2022年6月25日

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