舞台をアルゼル共和国に移し第二章の如く物語が新たな局面を迎える第4巻
1~3巻の時はリオンが異世界の基となった乙女ゲームを知っていたから、その知識によって状況を有利に進めていた
しかし、この第4巻から始まる物語ではリオンは基となった乙女ゲームを知らないし、知っている筈のマリエも断片的な情報しか知らない。なら、その制限された情報下で攻略していくのかと思いきや、そもそも物語スタートの現状すら乙女ゲームと全く違うものになっていたとか流石に衝撃的な展開過ぎる
本来の主人公が誰か判らないし、攻略対象の状況も大きく違う。これ、どう進めても穏便な解決が望めそうにない状況にしか見えないね
状況が不鮮明で誰と誰が結ばれるように差配するべきかも見えてこないからリオンも思うように動けない
前の話では平穏な生活を臨もうとしていたから、マリエが横暴を働いていても積極的に事態解決に動くことは少なかった。けれど、今回は自分が動くことで事態が悪い方向に行くのではないかと恐れて、いつものような振る舞いが維持できない
そこに加えて、リオンや馬鹿五人組に手を出してくるピエールのムカつくことムカつくこと。
これらの展開を読んでいる読者はきっとストレスがマッハで溜まっていくに違いない。
だからこそ、少しずつ始まっていくリオンの逆襲劇が堪らない!
第1巻でユリウス達の鼻っ柱を徹底的に折り、第2巻では反発する学生達を意のままに操り、第3巻では裏切り者と呼ばれる状態から救国の英雄となったリオン。
そんな彼が黙ってやられる筈がないと思えるからこそ、読者もストレスが溜まるような展開も先を楽しみにしつつ読み進められる
そして、待ち望んだ逆襲の瞬間は本当に素晴らしいものだった!
生身でアロガンツを倒してしまうなんて度肝を抜くにも程がある!おまけに裏ではマリエも本領を発揮するような活躍を見せ、ルクシオンもやりたい放題!それらの点も併せてストレスから開放される快感はなかなかのものだったよ!
そうしてピエールを片付けた後は何も問題なく乙女ゲームの攻略に戻れるかと思いきや……
再び物語は予想外な展開を見せ始めたね。彼女が転生者である点は途中途中の描写から察せられていたけど、彼女の存在やリオンの行動によって、望まれる乙女ゲームの方向性とは異なる方向性に進んでしまったということだろうか?
おまけにリオンに守護者の紋章が宿ってしまったということは、これ相当不味い状況に陥っているよね……?
前の話ではマリエが物語を壊してしまったためにリオンはかなり苦労することになった。
今回はリオンが物語を壊してしまう展開になるのかな?
そういえば、ヒロインであるオリヴィアとアンジェリカはずっとホルファートでお留守番。その為に出番は少ない。
おまけにリオンの状況をしる手段がルクシオンによるメールの仲介だけだったものだから、勘違いから何やら面倒な展開になりそうな…?いや、あながち勘違いじゃないんだけどさ
……彼女らの傍に居るクレアーレが何か不穏な事をしているようだけど、一体何を……。実験対象の彼って転生者なんだよね?このまま転生者である利点を活かすこと無く人生変わってしまうのだろうか…?
- 感想投稿日 : 2020年2月2日
- 読了日 : 2020年2月2日
- 本棚登録日 : 2019年10月5日
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