古本で購入。
人工憑霊蠱猫シリーズ第2弾。
鬼神データベース「白澤經」を利用する有鬼派の計画、散りばめられる謎。
三部作の中編であるこの『白澤』は、第1巻『蠱猫』と同一時間を別の人物の視線で描く、いわゆるグランドホテル方式の作品。
割と好きな手法なのだけれど、あまりうまく行っていない気がする。やや冗長に過ぎるという感じ。
登場人物や世界観のアウトラインを描くのに必要なのかもしれないが、3分の2近くが前作と同じ時間の話とは…
『蠱猫』のレビューで「1巻丸々で序章」ということを書いたが、2巻も大半が序章だった。ここまで来たら、物語のひとつの区切りが付く(だろう)『混沌王』はぜひとも読まねば。
『白澤』においても蘊蓄の数々は健在。
この巻では白澤經制作に関わったSE石和百代の語る、ネット上の人工生命体が主なテーマ。情報そのものが知性を獲得して生命体となるというSFではお馴染みの素材を、鬼神と絡めるあたりおもしろい。
さて、シリーズを読み続けるかどうか、三部作完結編次第だなぁ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年8月31日
- 読了日 : 2013年8月31日
- 本棚登録日 : 2013年8月31日
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