コッホ曲線やシェルピンスキーのガスケットというものを学生時代に学んだときには、驚きに満ちていた。非整数の次元についての話を聞いたときは感動を覚えた。フラクタル、単純な式で与えられるがその繰り返しが複雑さを増していく。自己相似形、リアス海岸。カリフラワーが例として取り上げられるのはなぜか本書で初めて知った。新しいことを見つけ出した科学者の伝記はおもしろい。戦争中の成人になるまでの時期も興味深いものであるが、何よりもプリンストンあたりで、オッペンハイマーやノイマンなどと接する場面が一番興奮する。しかし、本書の中に登場する日本人が北斎だけというのがちょっと寂しい。この分野で活躍した日本人の科学者もたくさんいたはずなのに。それはともかく、本書に登場する数式は訳者あとがきにある2行だけ。この式が、どう変化していくのかをこの目で確かめてみたい。訳がもう少しこなれていたら読みやすかったように思う。
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カテゴリ:
数学
- 感想投稿日 : 2014年9月25日
- 本棚登録日 : 2014年9月24日
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