子供の社会化への親の影響度合いをどう考えるかを社会心理学や行動遺伝学の様々な研究結果を基に考察。
従来では親が子供の性格を決める重要な役割を担っている(子育て神話)と言う思想が一般的であったが,永続的な性格という点においては親の影響は限定的であるという説を提唱している。
影響を及ぼさないのではなく,限定的であるという点がミソである。当然ながら乳幼児期の愛着の形成は子供の発達にとても重要な役割を果たす。
研究結果->知識人のpickup->世論 という流れで様々な思想は広まっていくが,この分野はそもそもの研究結果自体が確実でなく,一見正反対に見える様々な意見が乱立している。
結局のところ統計処理では因果関係は掴めないので,それっぽい相関関係は取れるがその因子はどれだったのか,が曖昧であるということを頭の片隅に入れて冷静な目でこれらの説を眺めていくのが良い気がする。
性格というものはそれぞれの集団に対して生成されるもので別の集団に対しては別の顔を持つということはそれほどおかしなことではない(むしろ自然)。
乳幼児の息子を持つ身としてはあまり気負わず,育つように育つ(本書では社会の中での性格は親とのやりとりとは別の集団において醸成されるという説)と思って育児(と言う名の息子との遊び)を楽しめれば良いと思っている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
子育て
- 感想投稿日 : 2017年10月28日
- 読了日 : 2017年10月28日
- 本棚登録日 : 2017年10月7日
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