シェイクスピア全集 (23) (ちくま文庫 し 10-23)

  • 筑摩書房 (2012年8月8日発売)
3.21
  • (2)
  • (2)
  • (13)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 93
感想 : 14
3

ざっと読んだ時の印象は
「主役のカップルはもっと派手に破滅して欲しかった。」といった感じ。
なんだか煮え切らない。

クレシダの動向は分からないし、
馬を取られたトロイアスは元気に再登場するし、
不完全燃焼。

解説を読んでようやく納得。
現代の私が読んで、主役二人の中途半端さに
違和感を持つのはおかしくないんだな。

中盤の「不実なることクレシダのごとし」が
終盤の「ああ、クレシダ!不実なクレシダ!不実な、不実な、不実な!」で
きっちり回収されるところは好み。

「商談成立だ。」「恋の仲介役はみなパンダーだ。」と
「その見返りはひどいもんだ!」の繋がりも好き。

「あれはクレシダであってクレシダではない。」は妙にリアルな響き。

悲劇の規模としては
『アントニーとクレオパトラ』>『トロイラスとクレシダ』>『ロミオとジュリエット』なのだそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: シェイクスピア
感想投稿日 : 2022年2月17日
読了日 : 2022年2月17日
本棚登録日 : 2022年2月17日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする