悪魔の発明と大衆操作 ―メディア全体主義の誕生 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社 (2003年6月17日発売)
3.04
  • (0)
  • (3)
  • (20)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 75
感想 : 7
1

著者はドイツ文学、メディア論が専門の学者。テレビ、パンチカード、ラジオなどをナチスの戦略に関連させながら、ソフトとハードは分けられない一つのもの、と定義する。戦中の日本へも話が飛ぶため、いまひとつ焦点が分散。いっそドイツに限ったら、もっとつっこんだ読み物になったのでは。
最終章にわずか著者のスタンスが滲むが、全体的には事実をメディア論の立場から軽く語るのみ。あっさりと読む。
アウシュヴィッツでパンチカードがユダヤ人の管理に使われたとは、初めて知った。ところが最後の註で小さく「刺青に代替。死者の数が多く、パンチカード用の数がパンクした」と語られる。もし本書がナチスの弾劾ならば(さほど強い語調では語られないが)、この点により着目したら、意図が強調されたと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2007年1月2日
読了日 : -
本棚登録日 : 2007年1月2日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする