フクロウが多すぎる (創元推理文庫 M マ 4-12)

  • 東京創元社 (1992年6月1日発売)
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感想 : 11
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「ウーザック沼の死体」「風見大追跡」(扶桑社ミステリー)につづくシャンディ教授シリーズ第8作。バラクラヴァの伝統行事のひとつ毎年恒例の「フクロウ数え」に、スヴェンソン学長、ストット教授、ウィニフレッド・ビンクス教授、そして新しくできた大学の小さなテレビ局の技師エミリクというグループのひとりとして参加していたシャンデイ教授。秋のバラクラヴァの森にいるはずのないシロフクロウが月を横切って飛ぶのを見て、驚いてあとを追う一行を襲ったいきなりの爆発音(ロケット花火)にまぎれて殺人が起こります。
「風見大追跡」で初登場した(未読です)ウィニフレッド・ビンクス教授が、億万長者だった祖父から受け継いだ遺産のほとんどをバラクラヴァ農大に寄贈して、大学に新しい施設が増えたのですが、そのひとつが小さなテレビ局であったり、作品中にたびたび登場する野外研究所であったりするわけです。
毎回、食事のシーンがおいしそうなこのシリーズですが、今回は非常食や携帯食といっていいようなメニューが何度かでてきますが、それがまた、ものすごくおいしそうで・・・。全部はとても書ききれないので、代表として、ストット教授がフクロウウォッチングに持ってきた食料コレクションを並べることにします−−−ハチミツ漬けのハムと七面鳥の燻製、セージ・チーズ・生のトマト、キュウリ、レタス、アルファルファを重ねて特製のマスタード・ドレッシングをくわえた自家製のライ麦パンのサンドイッチ。角切りのイチジク、リンゴ、チョコクッキー。そして、魔法瓶にはいった熱い紅茶。この素晴らしいお弁当を用意したストット夫人は、2作めの「蹄鉄ころんだ」でストット教授と恋に落ち、バラクラヴァの住人になったばかりのシャンディ夫人へレンの古い友人のイデューナ。「独立記念日の風船を思わせる」とても素敵な女性です。

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感想投稿日 : 2006年11月4日
本棚登録日 : 2006年11月4日

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