社会心理学の知見から先行の黒人差別研究に範を採り、主に在日コリアンに対する偏見・差別のありようをTwitterの投稿傾向から分析、さらにインターネット使用頻度と右翼傾向の相関関係や集団間接触によるレイシズム軽減の可能性の検討など、現代日本に台頭する憂慮すべきレイシズム傾向とwebの関係の分析と対策を示す。博士論文がベースになっており、曖昧な私見や感情論を一切排したデータ収集と分析に徹した本書は、一般読者にはやや読みづらい構成になっているものの、古典的レイシズムと現代的レイシズムという指標を示し、2015年現在の日本に見られる偽りのない姿をあぶり出し後続の研究へと道を開くものだ。本書を足がかりにさらにこの国が誰にとっても住みよい国になることを願う。
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- 感想投稿日 : 2016年6月18日
- 読了日 : 2016年6月18日
- 本棚登録日 : 2016年5月22日
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