森山大道と言えば、新宿等のストリートスナップだが、それらの写真は、ノスタルジーや場末感、街の空気感など日本人の情緒や記憶と密接な関係を有してしまう。
となればブエノスアイレスで撮影されたこの写真集には、写真家としての本質が露わになるのではないか。そういう視点でこの本を見ると、日本人の記憶や情緒とは無関係に、あくまで写真としての強さ(カッコ良さ)が見てとれる。
それは、いつものハイコントラスト・モノクロームで撮られた写真のみならず、間に差し込まれたフルカラー写真においても印象が変わらないことからもわかる。森山大道の写真は決して「スタイル」ではない。「森山大道風」なんてものは端から有り得ないのだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
photobook
- 感想投稿日 : 2010年8月23日
- 読了日 : 2010年8月23日
- 本棚登録日 : 2010年8月23日
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