4つの気質と個性のしくみ シュタイナーの人間観

  • トランスビュー (2005年11月5日発売)
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感想 : 9
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2008年6月17日
シュタイナーの気質について知りたかったので、図書館で予約して借りました。

気質は、自分のとても深いところにあります。だから、頭で改善しようと思ってできることではないのです。(p195)

もしそうだとしたら、親とか先生とかが、子どもの行動や態度で困ったとき、しかったり、言い聞かせようとしたりする努力は、無駄なばかりで効果が無く、かえってその子の心を傷つけてしまうという意味で、悪影響しかないのではないか、、、?

また、自分の性格を変えようとしても、頭で思うだけでは効果が無く、自分はやっぱり駄目だ、と思って自尊心をおとしめるだけ。

本の中で、5つめの気質として「自分を変えることが出来る力」があると言っている。私達は自分を変えることができる。でも、普通に思いつく方法では逆効果なばかり。

たとえば、憂鬱質の子を、励まそうと思って、「そんなことたいしたことないよ」といって見たり、笑わせようとしても、逆効果だとこの本には書いてある。そんなことをすれば、憂鬱質の子の心は冷たく固く閉ざされてしまう。

また、胆汁質の子のかんしゃくをなおそうとして、しかりつけてもますます怒らせるだけ。

多血質の子に、集中力を付けるためには、むりやり何かをおしつけても、決して集中力はつかない。

子どもを傷つけずに、バランスのとれた気質に導いてあげることが出来れば、それは素晴らしいことだと思う。

この本によると、自分を教育する方法は、「自分にないものを求めるのではなく、自分にある物を使って自己教育に取り組みます」とある。

憂鬱質の人は、自分の個人的な苦しみばかりに目を向けず、困っている人を助けることによって、自己教育が出来る。

多血質の人は、はっきり意識して、たくさんのことに興味を持ってみる。

胆汁質の人は、怒りをぶつけても迷惑をかけない対象(たとえば、ソファを殴るとか)をみつける。

自分を押し殺そうとしても、できない。
子ども達の大切な個性を育ててあげたい。
自分自身にも、そんな風に接することが出来れば、いいな。

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感想投稿日 : 2021年11月13日
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本棚登録日 : 2008年6月17日

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