「シカゴよりこわい町」の続編です。前作はジョーイが語り手でしたが、今度は妹のメアリ・アリスが語り手です。
『1937年9月、メアリ・アリス15歳。以前から続いていた不況の最後の一撃で、お父さんが失業してしまった。住んでいたアパートを出なければならない。ジョーイはもう仕事を見つけて西の方に出かけていた。両親が二人で住むのがやっとという狭い部屋が確保できたが、15歳の少女の居場所がない。おばあちゃんの世話になるしかなかった。
前みたいにジョーイと一緒でなく、一週間どころか1年もあの変人のおばあちゃんと暮らす。耐えられるだろうか。』
町に着いたそうそう、家にも行かずおばあちゃんはメアリ・アリスを学校に連れて行った。不況で高校教育を受けれない子供が多く、生徒の数は少ない。校長先生は解雇された用務員の仕事までしている。
シカゴから来たお嬢さんということで、敵視してくる子もいた。その子に家まで付いてこられてしまったのだが、おばあちゃんが負けるわけがない。見事撃退。たぶん彼女はもう学校に来ないだろう。(すごすぎる!)
不況が重く影を落とす中で、ジョーイほどおばあちゃんが好きでなかったメアリ・アリスが女同士として交流できるようになります。ある意味ジョーイよりずっとおばあちゃんを理解します。
そして卒業するときがやってきました。あんなにいやだと思っていたのに、今度はシカゴに帰りたくない。でもお父さんに仕事が見つかったし、帰ってくるのを待っています。決めれないメアリ・アリスに対しておばあちゃんはきっぱり帰るように言うのです。
「それから」という2ページで、読者である私はほっと安心しました。
- 感想投稿日 : 2010年12月20日
- 本棚登録日 : 2010年12月20日
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