骨は語る 徳川将軍・大名家の人びと

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  • 東京大学出版会 (1985年12月1日発売)
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増上寺の徳川墓地が改葬されたときの記録等。
実際に将軍さまたちやその正室や側室さんたちのお骨の写真が載っており、形質的な細かい調査報告も書かれています。

古い日本人が幅の広い寸詰まりの扁平顔に低い鼻、左右が離れた細い目とカラスのくちばしのような反っ歯だったのに対して、今回の調査対象限定とは言え、徳川将軍家の特に側室さんたちはすべて面長で鼻筋が通った目鼻の整った現代的美人だったというのが面白かったです。

やはり美人が将軍のそばに上がり、お手がついたということで、将軍の正室から後を継いだのは徳川15代のうち家光さんだけだったことを考えると、そういった美人の遺伝子が後に続いていくことで多少なりともそれが徳川将軍家の顔立ちに影響を与えていたというのも「ほぅ。」と思いました。

しかし、公武合体で降嫁した和宮さんの遺体が写真となって公表され、発掘時はメディアが現場に押し寄せたと言うのは時代だな~。
今なら考えられないと思います。

和宮さんについては、あとがきにあった匿名の手紙が興味深かったです。
京都へ下る際に箱根で盗賊に襲われ自害されたというお話。

掲載されている写真を見ると、確かに和宮さんの遺骨はしっかりとした保存状態で出土しているのに、左手首から先はありませんでした。
謎だ…。

仙台伊達家三代のお骨を写真で確認できたことも良かったです。
特に政宗さんのお骨から記録にある骨折の状態が確認できており、骨からだけでいろいろなことがわかるのだなぁ…と思った1冊でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・伝記
感想投稿日 : 2019年10月26日
読了日 : 2019年10月26日
本棚登録日 : 2019年10月26日

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