久部緑郎作、河合単画『ラーメン発見伝 2 塩の秘密』(小学館、2000年)「大衆料理の味」は値段と味が比例しないことを指摘する。低価格で提供するから、不味くても仕方ないとする発想は思い上がりである。
フランス料理が全て高級ぶっているとの発想も誤りである。フランスにも低所得者向けの食堂はある。そこでは安くて美味しい料理を工夫して出している。日本人のフランス料理人もフランス修行中には助けられている。シェフの修行時代を描いたノンフィクションでは少ない給料で高級レストランに行って舌を肥やしたという描写がされることがある。実際は本作品のように大衆食堂の日常グルメで舌を肥やす方が多いのだろう。
精神論根性論や集団主義のような昭和の戦前マインドは滅亡した方が良い。一方で「贅沢は敵だ」「足らぬ、足らぬは工夫が足らぬ」は戦前の精神論根性論に悪用されただけで、頭から全否定するものではない。「飽食の時代」などよりも、はるかに健全である。
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カテゴリ:
マンガ
- 感想投稿日 : 2020年1月4日
- 読了日 : 2020年1月4日
- 本棚登録日 : 2020年1月4日
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