実力も運のうち 能力主義は正義か?

制作 : 本田由紀 
  • 早川書房 (2021年4月14日発売)
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なぜトランプ氏を米国の多くの人が支持し、大統領に当選したのか、本書を読んでようやくわかったような気がする。
リベラルは、実現したいことは正しいと思うのだけれど、その影響まで考えられておらず、そしていまも本質的には理解できていないのだろう。そのために、同じ過ちを繰り返し続けているように思う。

日本でも、裕福ないわゆるエリートとそれ以外の人々は、小学校や中学校から分かれることが多く、前者は「世の中には様々な人がいること」を体感として持ちづらい。早晩、日本でも国政レベルで同様のことが起こるだろうし、すでに一部の地方自治体では起こっている。2019年の東京大学入学式で上野千鶴子氏が祝辞で伝えたことからも、その土壌は浸透しつつある。
ただでさえ衰退を始めている日本は、少しでも課題を認識し、対応策を実施して傷を軽くしていかないといけないのだろうと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年2月11日
読了日 : 2022年2月11日
本棚登録日 : 2022年2月9日

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